豊玉姫命(とよたまひめ)のご利益と御祭神の神社

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト=豊玉毘売)はどんな神様なのか?またどのようなご利益があるのか?

簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。

 

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豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)はどんな神様?、どんなご利益があるの?

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)は神話「海幸山幸」に登場する竜宮城の姫神です。

夫は山幸彦である火遠理命(ホオリノミコト)。初代天皇である神武天皇のおばあさん(祖母)にあたります。

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)はどんな神様?

古事記や日本書紀によると、夫となる火遠理命(ホオリノミコト・山幸彦)と火照命(海幸彦)は「お互いに道具を取り替えていつもと違う仕事をしよう」ということで、火遠理命(ホオリノミコト・山幸彦)は海に出かけます。

ところが、借りた釣り針をなくして悲しんでいると、海辺で塩椎神(シオツチノカミ)と出会います。

塩椎神(シオツチノカミ)から「海上の娘が釣り針を見つけてくれるだろう」と教わり、塩椎神(シオツチノカミ)が竹で編んだ小舟に乗り海神・綿津見神(ワタツミノカミ)の家に行きます。

そこで海神・綿津見神(ワタツミノカミ)の家で娘・豊玉姫に出会います。

火遠理命(ホオリノミコト・山幸彦)は豊玉姫と3年過ごしますが、地上が恋しくなり、故郷に帰りたいと言うと、大綿は失った釣り針を見つけてくれたという物語になっています。

参考文献:「皇室の起源神話」P. 138〜139「正しく読む古事記」・武光誠(エムディエヌコーポレーション)より

これは浦島太郎が乙姫にもてなしを受ける昔話がありますが、これが山幸彦(ヤマサチヒコ)と豊玉姫の話と似ていることから、竜宮城の乙姫様のモデルになったという説もあります。

 

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)と夫になる火遠理命(ホオリノミコト)は玉ノ井と呼ばれる井戸で出会ったともされています。

井戸に水を汲みに来た豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)の侍女が、木の上にいる火遠理命(ホオリノミコト)に気づき豊玉姫に報告しました。

侍女から報告を受けた豊玉姫は、火遠理命(ホオリノミコト)の姿を見て一目惚れしたと伝わっています。

 

妹神である「玉依姫(たまよりひめ)」や「火遠理命(ホオリノミコト)」と共に日本の建国に直接関わっていく神様です。

豊玉姫は出産の姿を見てはいけないと火遠理命(山幸彦)に告げ、産屋にこもりますが、火遠理命(山幸彦)が我慢できず、そっとのぞいてしまったことで、ヤヒロワニ(サメやワニ、竜など諸説あり)となっている姿を見られたことを恥じて出産後、子供を置いて実家に戻ってしまいました。

参考資料:「神代下」P.180〜181「日本書紀(上)」中公文庫

参考資料:日本書紀神代巻2(国立国会図書館デジタルコレクション)

この話は鶴の恩返しにも似ていますね。

豊玉姫はこの時、初代天皇とされる神武天皇の父となる鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)を出産しました。

現在の天皇に直結する神様でもあることから、昔から安産子育ての神様として篤い信仰があり、今でも人気の女神様です。

 

豊玉姫の名前由来ですが、「豊玉」とは「勾玉」のことを意味します。

勾玉の産地である「出雲の国の姫」という意味を持つ神様であるという説もあります。

 

豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)のご利益

豊玉姫(トヨタマヒメ)は、玉のように美しく、軽いお産で美形の子供を生んだことから、安産のご利益があるとされています。

その他、イザナミとイザナギの子供で海神・綿津見神(ワタツミノカミ)の娘であることから漁業・航海安全のご利益もあります。水に関係する水難除けも。

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)も海上安全を祈願したそうです。

日本建国に関わっている神様であることから国家鎮護・産業発展のご利益もあるとされています。

 

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呼び方・表記

一般的に表記されている豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)以外にも呼び方は色々あります。書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。

呼び方・表記 意味
豊玉毘売(トヨタマヒメ) 古事記での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる
豊玉毘売命(トヨタマヒメノミコト) 古事記での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる
豊玉姫(トヨタマヒメ) 日本書紀での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる
豊玉毘賣命(トヨタマヒメノミコト) 神社の呼び方。同一神。
豊玉姫尊(トヨタマヒメノミコト) 神社呼び方。同一神。
豊玉姫神(トヨタマヒメノカミ) 神社呼び方。同一神。

 

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大阪府に豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)が祀られている神社

神社名(大阪府) 読み方 住所 ゆえん
住吉大社の末社「大海神社」 だいかいじんじゃ(すみよしたいしゃ) 大阪市住吉区住吉2丁目9-89 御祭神の一柱が豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)
兵主神社の末社「龍神社(龍王神社)」 りゅうじんじゃ(りゅうおうじんじゃ) 大阪府岸和田市西之町1丁目1 御祭神が豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)

 

京都府に豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)が祀られている神社

神社名(京都府) 読み方 住所 ゆえん
走田神社 はせだじんじゃ 京都府亀岡市余部町走田1 御祭神の一柱が豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)
蛭兒神社 ひるこじんじゃ 京都府京丹後市久美浜町湊宮1662 配祀の一柱が豊玉毘賣命(トヨタマヒメノミコト)

 

兵庫県に豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)が祀られている神社

神社名(兵庫県) 読み方 住所 ゆえん
廣田神社の末社「南宮神社」 なんぐうじんじゃ 兵庫県西宮市社家町10 御祭神の一柱が豊玉姫神(トヨタマヒメノカミ)
播州三木大宮八幡宮の末社「豊玉姫社」 とよたまひめしゃ 兵庫県三木市本町2丁目19-1 御祭神の一柱が豊玉姫命(トヨタマヒメノノミコト)

※南宮神社は、西宮神社境内にありますが、廣田神社の境外末社です。

 

滋賀県に豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)が祀られている神社

神社名(滋賀県) 読み方 住所 ゆえん
鹽津神社 しおつじんじゃ 滋賀県長浜市西浅井町塩津浜547 配祀の一柱が豊玉姫尊(トヨタマヒメノミコト)

豊玉姫にゆかりのある神社は、鹿児島県などの九州地方や福井県、四国などが多いです。